先日、我が家に『白羽の矢』が立ちました――。
『身代わり花嫁』として海をわたる途中で、船から落とされた千歳が流れつき、漂流先の花街で売られた先は『あやかし』屋敷。
「湖に沈める予定の生贄が、行方不明になっただと!?」
慌てて捜索を始めた『あやかし』達を尻目に、すべてを思い出した千歳。
身分を隠し、下働きをすることになったのだが――。
お探しの生贄は私です。
実は千年前もその湖に沈みまして、わりとベテランの生贄です。
……ついでにいうと、偉そうにしている貴女達の元女主人ですけれど。
不器用なあやかし当主の激重愛にとらわれて、今日も死ねない生贄花嫁。※しかも二回目。
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※幸せに向かって進んでいく、優しいやり直しの物語です。
※前半少し重めの話を含みます