勇者なのに、神に見放されていた。
──とても残念なお話ですが、貴方様は祝福を受けていない勇者です。
***
目を覚ましたのは、銀眼の魔女が住む森だった。
「貴方様は勇者です」
そう言われたけれど、僕には何もない。
加護も、力も、特別な何かも。
それなのに――
世界の異常だけは、全部僕の前に現れる。
壊れた魔物。
歪んだ現象。
そして、どこか“やり直されている”ような違和感。
逃げることもできた。
でも、僕は引き受けてしまう。
神に選ばれなかった勇者と、銀眼の魔女。
その旅は、世界の裏側へと繋がっていく。