王国第一王子・クリスは、その美しい容姿と冷徹な振る舞いから『氷の王子』と呼ばれていた。
誰に対しても平等で、感情を表に出さない完璧な王子。そんな彼が唯一心を乱されたのは、暴走馬車から子どもを助けようと自ら飛び込んだ、一人の少女との出会いだった。
「子どもを助けるのに理由が必要ですか!」
王子相手にも一歩も引かない彼女に、クリスは生まれて初めて興味を抱く。
――そして、それが恋だと気づいた瞬間。
毎朝迎えに来る。
気づけば隣にいる。
荷物は当然のように持ち、他の男と話せば無言で間に割って入る。
本人は至って真面目。
「好きな相手を大切にするのは当然だ。」
表情一つ変えずに距離を詰めてくる氷の王子に、振り回される少女は今日も悲鳴を上げる。
これは、恋を知らなかった冷徹な王子が、恋を知った途端に理性をどこかへ置いてきてしまう、甘くて少し重たい溺愛ラブコメディ。