その日、セスナ・ハウンドロッドは前世の記憶を思い出した。
自分が今生きているこの世界は、前世でプレイした乙女ゲーム『ヘルデイズ』に酷似していること、そして自分はその世界の悪役令嬢に仕える、ゲームには1度も登場しないモブ執事であるということを。
「マジかよ……」
そしてセスナは絶望した。
何せ、彼の仕えている主はそのゲームのラスボスで、最後は主人公に殺され、破滅の一途を辿る公爵令嬢アリサだったのだから。
しかも、現時点でその側近であるセスナも、その破滅ルートに巻き込まれる可能性が濃厚ときている。
「何とかしなければ……!!」
そう奮起し、セスナはアリサが破滅する元凶となったその腐った性根を叩き直そうと画策する。
しかし両親に死ぬほど甘やかされたわがままな公爵令嬢の性根を更生させるには、一筋縄では行かず……それどころか。次から次へと厄介事が舞い込んでくる始末。
果たして、セスナは主の破滅フラグをへし折ることができるのか?
これは、平穏な使用人ライフに恋焦がれるモブ執事が未来を変えるために、今日も理不尽なお嬢様の無理難題を華麗に攻略して、ご機嫌取りをする執事の物語。
※他サイトにも掲載中