冷え切った政略結婚の末、仕事人間の夫に尽くし続けて胃潰瘍と過労で早逝した前世。
目が覚めると、婚姻初日の夜に時間が巻き戻っていた。
手元の契約書を確認すると——
「1年後の円満協議離婚時、解決金として3億円を譲渡する」
……条件、もう確定してるじゃない!
「どうせ夫は私に無関心。1年耐えれば3億円と完全な自由が手に入る。
なら、夫の顔色を窺うのは今日で終わり。この豪邸で自分の機嫌だけ取って暮らそう!」
そう決意した栞(26)は、前世の気遣い疲れを全破棄。
初夜から一人すき焼きと冷えたビールで祝杯を挙げ、広大なキッチンで季節の土鍋ご飯を炊き、客間を北欧風の陽だまり読書スペースへ勝手に大改造。
「1年限定の高級マンスリーマンション生活」を満喫し始める。
一方、妻にどう接していいか分からず距離を置いていた冷徹後継者の夫・創(28)。
深夜に帰宅すると、かつておどおどしていた妻がほろ酔いで「お肉、まだありますよ?」と屈託なく笑いかけてきて——!?
一切執着してこない妻の美味しいご飯とご機嫌な笑顔に、気づけば夫の胃袋と心が完全に陥落。
「あと半年で3億と自由!」とウキウキでカウントダウンする妻と、
「契約破棄だ、頼むからどこにも行かないでくれ」と必死に囲い込もうとする夫のすれ違い攻防戦。