魔族と勇者の間に生まれた双子――紅・ファニファトファと碧・ファニファトファ。
紅は魔族の血が濃く、主に魔族の力を使いこなす。
碧は勇者の血が濃く、主に勇者の力を使いこなす。
双子なのに両極端にいるような二人は、十六歳になる年に、勇者を育成する学園――白梅学園への入学を決めた。
勇者の力を使いこなす碧が学園でエリートの道を進む一方で、紅は魔族の力の使用を禁止され、落ちこぼれになる。
「落ちこぼれ?やったーじゃあ、頑張らなくていいじゃん」
自由気ままに、自分勝手に、感情のままに――を信条とする紅にとって、学園というつまらない場所で頑張らない理由を見つけられたことは、逆にラッキーだった……
のだが、最初の試験で魔族の力を使ったり、学園のエリートに喧嘩を売ったり――紅は自由気ままに生きていく。