その日、娘は光に包まれて消えた――
異世界に“聖女”として召喚され、残されたのは母の叫びだけ。
崩壊寸前の王国で、ひとり祈りを捧げる少女。
「お願い、お母さんに会いたい……」
その願いは、過去と運命を呼び覚ます。
娘の命を追って異世界に降り立った母・ユナ。
彼女には、自分でも知らない“かつての名”と“封印された記憶”があった。
――「出来ることなら、あなたの隣で永遠を誓いたかった」
かつて愛した人との再会。
母として、そしてひとりの女性として――
祈りと愛が交差する場所で、ふたりは世界の運命を変えていく。