地球のいたるところにダンジョンが現れた世界の中、あるダンジョンにて。
草ばかり食べていた一匹のスライムが、探索者の落とした『ダンジョン・カロリーブロック』を口にした。
その瞬間、スライムは全身が弾けそうになる程の衝撃を受け、美味しいものの虜になる。
今までの草になど見向きもせず、スライムはひたすらに人の食べ物ばかりを探すようになった。
『ダンジョン・カロリーブロック』の欠片を食べて満足していたスライム。
しかしある時から食べ物が手に入らなくなり、飢えのなかで探索者の会話が聞こえてきた。
『カロリーブロック食べ飽きた! 肉汁たっぷりのハンバーグとか食べたい!』
『ふわふわパンケーキ。デミグラスソースのかかったとろとろのオムライス』
『せめてファミレスに行きたいですね』
想像すらできないのに飢えが刺激されるような、美味しいものたちの名前。
それを聞いたスライムは即座に地上へ出ることを決めた。
ひとまずファミレスとやらを目指し、可憐な少女の姿となって地上に来たスライム。
しかし更なる試練が襲い掛かる。
地上でものを食べるにはお金が必要なのだ。
そして今の地上で手っ取り早く稼げるのはダンジョン探索だった。
同類だろうとスライムは魔物を倒すことに躊躇などなかった。
お金を稼ぐためダンジョンへ潜り、稼いだお金で食事を堪能する。
スライムこと「すう」のダンジョン探索グルメ生活が今、始まる。