好奇心旺盛な楊桜鳴は幼少期に聞いた音色に、10年経った今も夢中だった。
だが、その音色を出せるのは選ばれた人のみ。
ただの庶民にその才能があるわけがない――。
そう思いつつも諦めきれなかった桜鳴は、最後に楽器があるかもしれない皇宮へと忍び込み、何でもない倉庫でその楽器を見つけ出した。
早く音が聞きたくて、その場で肺一杯に空気を取り込み楽器に吹き込んだ。すると、甲高い、小鳥の囀りのような音色が辺りに鳴り響いた。まさに10年追い求めていた音色だった。
「やっぱり、いい音!」
感激する桜鳴は、後ろに人がいることに気が付いていなかった。
「――お前、誰だ」
「え」
それが、桜鳴の運命を大きく変える『出会い』になるとも知らずに――。
口を開けば暴言な性悪第三皇子×好奇心旺盛!猪突猛進!な選ばれし庶民の後宮騒乱物語!
※第四章まで完結済み
※第五章は毎日夕~夜に1話ずつ投稿予定です
※カクヨム様にも投稿しています
※後宮周りの設定は架空のものです