「妹のほうが、彼には似合う」
両親にそう言われ、オデットは婚約者を妹に譲った。
平気だったわけではない。ただ、嫌だと言えなかった。
結婚の代わりに願ったのは、自分で暮らせる館と土地。
譲り受けた北の小領地で、水路の修理や商人との交渉に戸惑いながら、初めて自分の生活を作っていく。
隣領の辺境伯家の次男・フェルナンは、彼女の返事を待ってくれる人だった。
仕事の話から、用事がなくても会いたい人へ。少しずつ、二人の距離は近づいていく。
けれど、ようやく選んだ暮らしにも、家族からの要求が届く。
土地を戻してほしいという父。そして、自分の婚約がうまくいかなくなった妹。
もう、誰かのために頷くだけには戻らない。
今度の結婚は、私が望んで決めました。
全50話・完結。約13.6万字。
10/11(日)7:00投稿で完結予定です。予約投稿済。