私は曲がったことが大嫌い。権力を振りかざして弱い者いじめをする奴が大嫌い。失礼な奴が大嫌い。態度が悪い奴が大嫌い。偉そうに威張りちらしている奴が大嫌い。
魔導師である私は、ある日父の仕事の手伝いでとある方の邸宅を訪れた。そこには私の嫌いを集めて作った様な14、15歳くらいの5人の少年達がメイドと執事に嫌がらせをしていた。私は成り行きでその少年達と対峙すると、リーダー格の少年が聞かれてもないのに自分は第二皇子の鷹司桜華だと自己紹介をし始めた。
は?だから何ですか?
私はこの国の第二皇子がこんなにも残念な奴だったなんてと心からがっかりした。私は身をもって権力のある人間の発言や行動には責任が伴うことをこの馬鹿皇子、ではなく第二皇子に教えてやった。正直、自分らよりも立場が弱い人達をいじめて喜んでいる様は馬鹿な奴に何を言ってもわからないだろうけど。
そうこうしていると、騒ぎを聞きつけた(馬鹿王子の父親である)皇帝陛下に怒られた馬鹿王子とその取り巻きは私に謝ってきた。もちろん私は許さなかったよ。だって、こいつらは権力を持った馬鹿でしょ。謝れば許してもらえるって勘違いしたら結局困るのは国民なんだから。
まぁ、馬鹿皇子とその取り巻きのことは私の手に負える問題ではないし、こいつらとは2度と会うこともないので、さっさと仕事して帰ろ〜っと。
・・・もう会うはずはないのに、なんでー?!
はぁ~。私は思わずため息をついた。