アイリスは十九歳の侯爵令嬢。
幼い頃は予知の力がある聖女だったが能力は消え、困窮した義母たちに売られてしまう。
アイリスを買ったのは、昔アイリスが買って命を助けたヒューゴ。
彼は奴隷から騎士団長へと成り上がり、爵位と城まで得ていた。
八年を経て再会したふたりは立場が逆転していた。
アイリスはヒューゴの形だけの婚約者となる。
ぎこちなく接近していくふたりだったが、様々な出来事を経てお互いの秘めた気持ちに気づいていく。
だが、通じ合ったふたりを思いがけないトラブルが襲う――。
無能と言われ、虐げられていた令嬢が幸せをつかむお話。