八度目の人生。
織田信長の妹・お市は、もう「歴史に殺される姫」をやめた。
政略結婚、戦乱、裏切り、処刑、過労死――
七度の転生で“戦国”と“現代”の地獄をすべて味わった彼女が、八回目に選んだのは力による支配ではなく、生活そのものによる征服だった。
医療、清潔、教育、経済、女性の自立。
戦国では非常識とされる価値観を武器に、
お市は自らの領地・犬山で《狂犬法度》を布告する。
水田年貢一割、畑は無税
男女完全平等
医療と教育は無償
私有財産の完全保護
むさ苦しい男はタコ殴り
その結果、人と金と情報が雪崩れ込み、
小さな城下町は“戦国最強の生活国家”へと変貌していく。
一方、武の象徴として組織された狂犬武士団は、
「殺さず・折って・従わせる」異質な戦闘集団として各地を震撼させる。
武田信玄、斎藤義龍、朝倉義景――
名だたる戦国大名たちは、気づいた時にはすでに
“戦わずして支配されている”現実に直面する。
支えるのは、
重すぎる愛を持つ正妻・寧々、
あげまん最強の三番目の妻・京極竜子、
経営・財務・服飾・医療・諜報を担う最強の女性幹部たち。
そして語り部は、冷静で皮肉屋な側女・桃。
これは――
戦国を、剣ではなく「暮らし」で塗り替えた、
世界一美しく、世界一狂った姫の物語。