クラリス・エヴァレットは、美しく完璧な公爵令嬢──だけど、それは“表の顔”。
本当のクラリスは、この世界が乙女ゲームだと知る転生者だった。
本来なら、ヒロインが攻略キャラと恋に落ちて、世界を救うはず。
だけど、この世界のヒロインは──ポンコツすぎた。
勉強はからっきし、魔術もさっぱり。運動は得意でも剣術は滅茶苦茶。
このままでは、世界は滅び、自分も死ぬ!!
「なんとしてでもヒロインを幸せに導いてみせる!」
クラリスは、ヒロイン支援に全力を尽くす。
だが、彼女が動くたびに──
「クラリス様、今日もよろしくお願いします!」
「君はなぜ、そこまで彼女に肩入れする?」
「ただ……どうしても感謝をお伝えしたくて」
「もしかして私を誘っているのかな?」
「……ほんと、無自覚にもほどがある」
ヒロインだけでなく、攻略キャラたちの視線が、なぜかクラリスに集中してしまう!?
世界を救うのはヒロインと攻略キャラの絆のはずなのに、悪役令嬢のクラリスがなぜか一番モテる!?
──これは、ポンコツヒロインを支える悪役令嬢が、世界を救うために奮闘する物語。