あてもなく森を彷徨う白髪の少女、ヨミノ。
彼女が抱くたった一つの願いは——自分が死ぬこと。
その日もいつものように森を歩いていたヨミノは、魔物に襲われていた少女を助ける。太陽のように微笑むその少女は、ハナと名乗った。
ハナに導かれるまま森の中の家に招かれたヨミノは、自分が
"死ぬために生きている"
ことを伝える。するとハナはヨミノの目をまっすぐと見つめ、言葉を放った。
「死にたいなんて、言わないでくださいっ!」
その瞳には、痛いくらいの強さが宿っていた。
そしてハナはヨミノに、思いもよらぬ「提案」をする——。
死にたい少女と生きたい少女——
真逆とも言える二人の少女が紡いでいく、永く儚い、そんなありふれた物語。