追放された不遇職《サポート魔法使い》の佐久間透。
戦えない回避スキルは「自分だけ助かる」最悪の能力として仲間に切り捨てられ、行き場を失う。
辿り着いたのは、現代ダンジョン配信プラットフォーム《DUNLIVE》。
トップ配信者で“悪魔”と呼ばれる女――黒羽ミラの現場に、日雇いカメラマンとして放り込まれる。
「左から撮れ。血飛沫が飛ぶ前に拭け。遅れたら“画面が死ぬ”。」
理不尽な命令。命に値札が付く業界。コメント欄の煽り。炎上とスポンサーの圧。
だが透には、戦闘力の代わりに“職能”があった。
《空間把握》で危険の流れを読み、《完全回避》で死線を滑り抜け、地味魔法《微風》でレンズの曇りすら攻略する――。
「神カメラ」「本物だ」
同接が跳ね、伝説回が生まれるほど、深層は牙を剥く。
そして透だけが気づいてしまう。ミラの右手を蝕む“赤い線”と、画面の奥から“みている”何かの存在に。
これは、戦えない男が“画面”で成り上がり、悪魔の死角を守る物語。
――面接の先にあるのは、専属契約か、それとももっと深い地獄か。