三十四歳、過労死。
デスクの前で静かに死んだ元コンサルタント・桐島颯は、気づけば白い空間に立っていた。
「手違いがありまして」
神様から告げられた、あっさりとした謝罪。詫び賃として一つだけスキルを選べるという。不老不死、完全記憶、カリスマ──選択肢を前に、颯は一瞬も迷わなかった。
「未来視で」
前世で「予測」に人生を捧げ、それでも外れ続けてきた男が選んだのは、本物の「先読み」だった。
転生先は現代日本に近い平行世界。スマートフォンも株式市場もある、でもどこか少し違う世界。帝都の片隅に生まれた「小日向颯」として、颯の二度目の人生が始まる。
未来視を武器に、小学生で株式投資をスタート。中学生で資産二千万超え。そして十四歳の時、運命の出会いが訪れる。
辛口で知られるベンチャー投資家・財前光。口は悪いが目利きだけは本物、という男との出会いが、颯の計画を大きく動かし始める。
颯の目標は、自分だけが金持ちになることじゃない。
才能はあるのに、機会だけがない人間を見つけ出し、その人生を変えていく。シャッターが目立つ商店街、廃業寸前の老舗和菓子屋、夢を諦めかけた若者たち。未来視で見えた「可能性」に、颯は全力で手を伸ばす。
目標は十九歳でビリオネア。でもその先にあるのは、もっとでかい話だ。
颯爽と、やってやろうじゃないか。