残土(ざんど)とは、建築や土木工事の掘削作業などで発生する、余分な土砂のこと。
三十七歳の建設作業員ラーグが持つスキルは、その名も『残土』。
できることは、工事現場で発生した残土を無限に収納し、好きな時に取り出すことだけ。
剣も振れない。魔法も撃てない。
どう考えても地味なハズレスキル――のはずだった。
ところがある日、街を襲った巨大なドラゴンを前に、ラーグは恐怖のあまり今まで貯め込んだ残土を全部ぶちまけてしまう。
数え切れないほどの土、泥、砂利、岩。
それらが一斉に放出された結果――。
「ギャオオオオオオオオン!?」
ドラゴン、生き埋め。
しかもこの能力、使い方次第では土木工事、輸送、築城、治水、農業、そして戦争まで、何でもできるのでは……?
これは本人だけが自分のスキルの異常さに気づいていない、三十七歳の現場作業員が、世界中から必要とされて成り上がっていく物語。
今日もラーグはスコップ片手に首をかしげる。
「俺、ただ残土を片付けてるだけなんだが……?」
※AI使用状況の開示(補助的利用:校正に利用し、さらに手作業で修正しています)