恋人は、俺がプロポーズしようとしたその日に首を吊った。
ーー理由も、真実も、何ひとつ残さずに。
二年記念日の夜、五十嵐コウは恋人・篠崎ユキの自殺を目の当たりにする。
希望は消え、生活は崩れ、世界は真っ暗になった。
そんなある朝、ポストに入っていた一枚の紙。
『あなたの“後悔”、やりなおしませんか?』
コウの前に現れたのは、ぴょこぴょこ歩く謎の少女レオナ――
彼女は、寿命を代償に時間を巻き戻す“ループの力”を与えるという。
「ユキを……助けたいかい?」
コウは迷わず頷き、寿命一年を差し出す。
こうして始まる“やりなおし”。
だが、ユキの死の理由はたったひとつではなかった。
同期の影、職場の圧、家族の闇、そして彼女の心の奥に潜む“本当の絶望”。
やりなおすほど浮かび上がるのは、
コウの知らなかったユキの姿。
そしてユキが抱えていた、誰にも言えなかった痛み。
コウは寿命を削りながら、
ユキを救い、未来を変えることができるのかーー。
恋と絶望のループ・ミステリー、開幕