暇つぶしにネットで見つけた、名前も知らないゲーム。
『あなたはこの世界で、ただ一体の《原初種》です』
『開始後、元の世界へ戻ることはできません』
『本当によろしいですか?』
どうせゲームの演出だろう。
そう思って「YES」を押した――はずだった。
次に意識を取り戻したとき、彼には手も足も、目すらなかった。
冷たい洞窟の地面を這う、手のひらほどの半透明な生命体。
そして初めて小さな虫を取り込んだ瞬間、声が響く。
《性質〈硬質外皮〉を獲得しました》
食べた生物の性質を取り込み、自らの身体を変化させる《原初種》。
決められた進化先はない。何を喰い、どう生きるかで、その姿さえ変わっていく。
虫一匹にも命を脅かされる最弱の生命から始まり、やがて白銀の魔獣ルナと出会い、まだ見ぬ世界へ。
これは、何者でもなかった一つの生命が――
どこまで進化できるのかを確かめる物語。