(4/10二巻発売)
裏社会で悪名高い貴族・フェルレッティ家に生まれたディーナは、十歳の頃、部下に殺されかけた。一命をとりとめて改悛してからは、田舎でひっそりシスター見習いとして生きている。
――それなのに、十年後。ディーナが暮らす教会に、フェルレッティ家に仕える男、テオドロが現れた。
追手と思い逃げようとしたディーナだったが、逆に危ないところを彼に助けられる。どうやらテオドロがフェルレッティ家に仕えるのには理由がありそうで、ディーナのことも本物のフェルレッティ家の娘とは思ってない様子。
ひと安心したのもつかの間、今度はディーナがテオドロを助けるために『本物のディーナのふり』をしながら実家へ舞い戻ることになってしまった。
「大丈夫、あなたのことは僕が絶対守るから」
そう決意するテオドロは、ディーナのことを巻き込まれた善良なシスターとしか思ってない。
――もし、正体がバレたら。
「この世で死んでもいい人間なんて、フェルレッティ家の人間くらいだし」
フェルレッティを憎む彼に、たぶん、殺される。
※旧タイトル【神様、どうかこの嘘だけは見逃してください】
第2回ドリコムメディア大賞にて銀賞に選んでいただきました。