ヴィジリタス国を代表する月華真珠で身を起こした富豪ボーモン子爵の、一人娘の結婚式の晩。給仕係のサーラは深い悲しみにあった。彼女は父を子供の頃に失い、母親には疎まれて育った。それでも恋人が出来て、将来を誓い合っていたのに裏切られた。
今日はその恋人と、恋人を奪ったボーモン子爵令嬢の結婚式。生きていく気力を失い、海で死のうと考えた時、「馬鹿なことを考えるな」と、ノアールと名乗る若者に止められた。彼の説得で自棄になっていたことを恥じたサーラだったが、子爵家の屋敷が火事になり仕事も失ってしまう。そのサーラにノアールは、自分の下で働かないかと声をかけてくる。給金も今までより良く、待遇も悪くない。そんなサーラに与えられた最初の仕事は、浜辺で泣くこと? だった。