前世で魔法を極めた後、愛する弟子によって殺されてしまった男は、気付けば産まれたばかりの少女ヴィルヘルミナに転生していた。自身の過去の行いから良い人生など期待してもいなかったが、せっかく与えられた機会ならば有用に使おうと決める。
問題だったのは他人との付き合い方も知らず、あらゆるものに殆ど興味が薄いこと。ヴィルヘルミナは感情を知っているだけで、理解に乏しいところがあった。喜怒哀楽はあっても、どこか無機質。優しいとは何かが分からない。善行とは何かが見当もつかないまま時間は過ぎていく。
産まれてからすぐに両親から捨てられて孤児となったヴィルヘルミナが四歳になった頃、デヴァル子爵家に養子として迎えられる。それは人生の大きな転機となり、これまで知らなかったものに目を向け始めた。
やがて魔法学院へ通うことになったヴィルヘルミナは、そこで新しい自分を見つけ、かけがえのないものを少しずつ手に入れていく。
これは、ひとりの人間が優しさを知り成長を重ねて、完成する物語だ。
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