ルシアン・アルヴェイン・ド・レグリアは、天才であり、クズである。
公爵家の嫡男として生まれ、類稀なる魔法の才を持ち、幼い頃から誰もが自分に従うことを当然と思っていた。
そんなルシアンが、生まれて初めて敗北した相手。
それが、剣の天才──カイルだった。
「覚えとけよ! 次は必ずオレが勝つ!!」
何度負けても挑み続けるルシアンと、それを迎え撃つカイル。
二人はいつしか、互いにとってかけがえのない終生のライバルとなっていく。
だが、二人の関係は突然終わりを迎えた。
ルシアンの死によって。
そして二年の月日が経ち──数々の武功を挙げ、救国の英雄と呼ばれるようになったカイルの前に、銀白髪の令嬢が現れた。
カイルは一目見ただけで気付く。
その銀白の令嬢こそ、ルシアンであると。
ところが、ルシアンは死んだことになっており、今や「双子の姉ルーシー」として生きている。
「自分はもうルシアンではない」
と言い張るルシアンと、
「ルシアンはルシアンだろう?」
と当然のように言い放つカイル。
そんな二人を待っていたのは、まさかの婚姻話だった。
こうして、女となった元公爵令息と救国の英雄による、雪深い辺境での奇妙な新婚生活が始まる。
⚠ハーメルン、Nolaノベルにも投稿しています。
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