魔力のない伯爵令嬢エリナは、公爵であり騎士団長でもあるルドガーに嫁いだ。だが夫は貧民の娼婦ネリーを真実の愛の相手とし、妻を放置して平民街で愛人と暮らしていた。
一夜の契りで妊娠したが、出産の際生死の境をさまよったエリナは、自分が二度目の人生を生きていることに気づく。
前世では夫に無視され続け、そのうっぷんを息子にぶつけていた。そして息子が12歳の時、夫に剣で斬り殺されていたのだった。
難産の末に生まれた赤子を見て、エリナは自分が前世でひどい母親だったと後悔し、今度の人生では絶対に息子を愛していくと決めた。
数年後、ずっと妻子を放置してきた夫が、突然子づくりを要求し、第二子は自分が愛人と育てると言ってきた。エリナはそれを拒否し、息子セドリックとともに王都を離れた。
領地の黒の森の館で母と子は暮らし始め、その館に居ついている精霊、赤猫のザジがエリナの護衛騎士となる。
エリナは、館を訪れた実兄アルマンとともに母の足跡をたどり、国境の砦を慰問する。そこでルドガーに鉢合わせ、激しい叱責を受けて傷つくが、音楽卿である兄の伴奏で亡き母の祝ぎ歌をうたって喝采を浴び、自信を取り戻した。
領都ザヴィールウッドの花祭りに際し、夫が自分や息子より愛人を優先することに絶望したエリナは、息子を守るため強くなりたいと願う。
ザジはそれを受けて、エリナを大精霊ノナ・ニムに引き合わせてくれた。ザジやノナ・ニムはルドガーと深いつながりがあるのだった。
大精霊に認められノナ・ニムの魔女となったエリナは、自分が死んだ前世の凶変を回避するため、全力で道を切り拓いていく。
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