(旧題:魔法の家の落ちこぼれが、聖騎士叙勲を蹴ってまで、奇蹟を以て破滅の運命から誰かを救える魔法使いになろうとする話)
魔法の存在する世界。
騎士というものが誇り高き高潔なものとして存在する世界。
しかし、その世界において、魔法使いと騎士は、決して両立することのない適性とされていた。
どちらかになれば、もう一方にはなれない。
そう信じられている世界で、魔法の名門に生まれた少年には、魔法の才能が無かった。
何の皮肉か、並外れた騎士の才能を持っていた少年は、騎士としての師に見出され騎士の上澄みである聖騎士への資格を史上最年少で得た。
しかし、少年の心の中には靄が渦巻いていた。
物心ついたばかりの頃。亡き母親の読み聞かせてくれた御話。
運命のような不幸。運命のような滅び。騎士では救済に届かない。魔法使いという奇蹟を行使する存在だけが唯一、奇蹟を以て運命を乗り越えることができる。
少年は、聖騎士としての叙勲の場でそれを辞退し、諦めきれない夢へと、少年以外の誰から見ても贅沢で無為で愚かな選択をした。
そして――魔力試験の場において、有り得ぬ筈の最初の奇蹟を起こしてみせた。『始まりの園』と呼ばれる、始原、且つ、至上の魔法の探求の場への切符を手に、魔法の才無き少年の足掻きが幕を開ける。
---以降注意書きと軽いネタバレ---
※1…苦戦どころか、負けも結構あります。実力的に無双できる筈なのに、そうなっていないのは、舞台が雛でありながら上澄みばかり集められた場所であること、主人公とヒロインも未だ雛であることが原因です。
※2…主人公たる少年は、最初から騎士としては極まっていますが、魔法使いとしては壁を段階的に破りながら強くなっていきます。これでも実力に枷あり。なのに騎士としての技量だけであらゆることを何とかしてしまえます。そのため、魔法が実は使いこなせていないことが表面化しにくいです。今を楽しんではいますが、聖騎士叙勲を蹴っておいて騎士のとき得たものを使うことを始めとした、数多の心の棘により、結構人生に惑っていたりします。
※3…ヒロインたる彼女は最初から魔法使いとして反則級に強いです。何でもあり、ならですが。彼女自身の心がそういった手段を取ることを赦さないので。枷が外れる為の条件は、少年にかかる話であること。そして未来では、少年を含む??にかかる話であること。
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