「ハンス、この国の民は皆、魔法使いなのか……?」
飢饉と戦火の絶えないアステリア王国から、平和な日本へ「留学(という名の転移)」をしてしまった聖騎士エルナと、その専属料理人ハンス。
二人が深夜のコンビニで目にしたのは、異世界の王族ですら口にできない色とりどりの「聖杯(弁当)」の山だった。
安くて、早くて、異常なまでに美味い。
新橋の牛丼に魂を揺さぶられ、商店街のコロッケの揚げ音に跪き、二郎系ラーメンという名の「黄色い要塞」に玉砕する――。
かつて戦場を駆けた姫騎士は、日本の「日常食」という名の洗礼に、なすすべもなく敗北し続ける。
しかし、その美食の影には、常に新橋の「不協和音」が潜んでいた。
世話人・山本の正体は警視庁の警部。
エルナは、その驚異的な「聴覚」を武器に、食欲を満たすための報酬を求めて「音の探偵」へと身を投じる。
食べかけのフランクフルトに残された殺意。
チョークが黒板を叩く不気味なリズム。
そして、六月の雨の中に消えた、幼い少女の笑い声の残響。
「ハンス、今夜の飯を頼む。……この街の『毒』を洗い流すほどの、熱い奴をな」
美食に悶絶し、事件に憤怒する。
異世界の騎士と料理人が、新橋の深淵で「正義と味」を追求する、異色のグルメ・ハードボイルド留学記、ここに開幕!
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