子爵家の養女リディアは、病弱な国王のために毎朝、薬湯を混ぜた粥と消化のよい小皿を作り続けていた。
だが、王太子の新しい婚約者に「台所に貴族令嬢が立つなど卑しい」と責められ、王太子にも庇われず、宮殿の厨房から退く。
行き場を失った彼女を迎えたのは、遠征帰りで胃を壊した辺境公爵エルヴィンだった。彼はリディアの料理を下働きではなく、兵と領民の体調を戻す技術として見抜き、湯気の立つ皿を自ら運びながら彼女を尊重する。
一方、宮殿ではいつもの朝食準備が回らなくなり、粥は焦げ、薬草は苦く煮詰まり、国王は食事を受けつけなくなる。誰も、リディアが毎朝、薪の湿り気や喉の調子まで見て火を変えていたことを知らなかった。
必要とされた場所で手を取り戻したリディアは、エルヴィンの静かな信頼と不器用な優しさに傷を癒やされる。やがて彼女は、公爵夫人として北境の食卓を支え、名もなき台所仕事を人を救う制度へ変えていく。
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