王宮広報局危機声明管理室。
通称、炎上対応係。
前世で企業の炎上対応に使い潰されたリディア・ノートンは、異世界に転生してもまた、王族の失言、貴族の噂、神殿の声明、新聞の見出しに胃を痛める日々を送っていた。
そんなある日、王太子ルーファスが舞踏会で公爵令嬢エレオノーラとの婚約破棄を宣言する。
しかも、証拠未確認。
本人への聞き取りなし。
隣国使節と新聞記者の前。
さらに発言は、どう見ても国が燃える内容だった。
言葉や声明に潜む“火種”が見えるリディアは、下級職員でありながら断罪会場へ一歩踏み出す。
「殿下。その発言は、国が燃えます」
冷たい悪役令嬢と呼ばれた公爵令嬢。
涙を利用される聖女候補。
言葉を信じない無口な辺境伯。
そして、正しい物語で国を支配しようとする宰相補佐。
これは、剣も魔法も使えない王宮広報官が、赤インクと記録水晶と胃薬を武器に、婚約破棄から始まる国家規模の炎上を鎮火していく物語。
言葉は人を燃やす。
けれど、正しく向き合えば、人を守ることもできる。
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