警察官の春久(はるひさ)は、異動を機に独身寮を出て、賃貸マンションで一人暮らしを始める。
若くして生活安全課の係長に抜擢された彼は、期待を背負う一方で、普段は友人とツーリングやキャンプを楽しみ、充実した生活を送っていた。
ただし、七年前の離婚以降、春久の周囲に女っ気は無い。
一緒に遊ぶ仲間の一人であるカイは、人付き合いに遠慮がちだが、数年の付き合いのある春久には気を許してくれているようで、人を呼べるようになったマンションに、たまに土産を届けてくれるようになった。
そんなとき、料理も趣味だが、家では父親が良い顔をしないのだという彼に、ならば春久のところで料理をと提案、以来、マンションでもキャンプでも、料理を担当してくれることに。
しかし三年の月日が流れた頃、春久は執拗なストーカー被害に遭い、転居を余儀なくされる。
新天地として選んだのは、以前より広く、何より「カイが過ごしやすい」家だった。
そこに舞い込んだ、一匹の猫を飼うという選択。
「お前も一緒に面倒を見てくれるなら、飼える」
あえて出したその条件。猫にのめり込んでいくカイと、それを見守る春久。
春久は自覚するが、カイはそのほのかな想いに気づくことは無く、春久もまた、気づいて欲しいような、今の関係を壊したくないような。
これは、生活安全課係長として奔走した五年間の激動の日々を軸に、やがて二人が「真の居場所」に辿り着くまでを描く、十年の歳月の記録。
※BL展開はありません。
※キャンプ描写や警察業務の日常を丁寧に綴る、スローペースな超長編物語です。
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