3歳の外見で、前世の知性を抱えたまま生きる公爵令嬢。
これは彼女の小さな一歩が、周囲の少年たちと世界を少しずつ変えていく物語。
***
本がぎっしりと詰まった狭い部屋には、魔道具までが所狭しと散らばっている。
真ん中に置かれた机に向かい、本を読んでいた1人の少年。
彼がふと顔を上げると、私(読者)と目が合った。
「君も、この本を読みに来たの?」
「本?」と聞き返すと、少年は楽しげに口角を上げる。
「公爵令嬢ルリアの、お・は・な・し。ルリアは3歳なんだ。冷遇されているのに『自由よ!』って喜んで、自由を満喫しているんだよ。毎日美味しいご飯を食べることだけを楽しみにしていて、困った人を見るとつい助けてしまう。奇想天外なことを思いついては周りの人を巻き込んでいく。良い人も悪い人も、ルリアにかかれば同じなんだ。――君もルリアの世界へようこそ。楽しんでね」
『おいウィズ! サボってないで手を動かせ! ケーキが焼きあがるぞ!』
遠くから、野太い声が響いてきた。
「あっ、テッドに呼ばれちゃった。ぼくはもう行かなきゃ」
彼が慌てて立ち上がると、本がパタパタとめくれて最後のページが開いた。
のぞき込んでみると、そこにはこんな注釈が書かれている。
※恋愛カテゴリーです。
ルリア曰く「私は恋愛をいっぱいするから!」とのこと。
なお、3歳です。作者も首をかしげています。
ルリアの世界へようこそ!
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