「お前のような呪われた女、我が領地の道具にすらならん」
侯爵家の厄介者として育てられたリリアナは、精霊の歌が聞こえる「愛し子」としての力を隠され、
「精霊を追い払う呪い子」という偽の烙印を押されて辺境伯ギルバートへと売られた。
極寒の地で待っていたのは、彼女を人間として扱わない、氷のように冷酷な日々。
喉を枯らして歌うことを強要され、最後には「偽聖女」の妹の手によって泥の中に突き飛ばされ、魔物の住まう森へ追放されてしまう。
すべてを諦め、泥の中で最期を覚悟したリリアナ。
だが、その時、世界の時が止まった。
「ようやく、私だけのものになったな。私の愛しき歌い手よ」
現れたのは、人知を超えた美貌を持つ銀髪の君主――この世界の魔力の源、精霊王アルヴィス。
彼はリリアナを傷つけた世界への殺意を隠さず、彼女を宝石のように抱き上げ、神の領域へと連れ去った。
リリアナが精霊王の城で過保護なまでの寵愛を受ける一方で、
彼女を失った辺境伯領と実家からは、あらゆる「精霊の加護」が失われていく。
水は腐り、土は枯れ、かつて彼女を虐げた者たちは、自分たちが何を捨てたのかを思い知ることになるが……。
「もう遅いわ。リリアナは二度と、お前たちの灰色の世界には戻さない」
これは、ただ精霊を愛しただけの少女が、真の王の隣で最高に幸せになるまでの物語。
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