『アウロラ写本』――それは、この世で知らぬ者はいない聖書であり、未完の神話である。
隠者は青年に向かって、「現代と紀元前を結ぶ空白の時代を知っている」と言い、写本に記されることのなかった女神達の歴史を話し始めた……。
「どこから話すべきか……そうだな、やはり黄昏の女神、アーミラから始めよう。
苛烈を極めた時代を生きた、彼女達の物語――」
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内気な少女アーミラは、亡き師匠との約束を守るため魔呪術の才をひた隠して生きていた。たとえ集落の者達から疎まれ、石を投げられようとも抵抗しなかった。
しかし、領主の娘は師匠の形見を我が物顔で使っていた。
「返してください……!
これは、私の……っ、お師様のものです!!」
「はあ!? 気安く触らないでよ乞食のくせに!」
怒ったアーミラは我を忘れ、隠していた力を発揮する。
その才覚は天上の神の目に留まり、継承者誕生を告げる鐘の音と共に魔術陣が空に現出した。
アーミラは運命に選ばれた。
その胸に三女神継承者、天球儀の印を宿して――
「ずっと、何かから逃げてるような気がしてた……向き合わなくちゃいけないことがあるんじゃないかって……だから、だからこの旅で何かが変わるんじゃないかって思うんです……」
記憶を取り戻すため、逆境に立ち向かうため、アーミラは同じ刻印を持つ仲間とともに旅立つ。
向かうは前線、黄昏へ向かう世界の中で、アーミラは失われた記憶を取り戻せるのか。そして世界の真実に辿り着けるのか――!
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異世界の空気感を表現するため文体を硬くずっしりしたものにしています。
戦闘描写や伏線も盛りだくさんなので是非読んでみてください。
※星空文庫にて完結済み。元タイトル『最後の異世界転生譚 ――Echoes Beyond the Aurora Manuscript――』
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