――“癒す”だけじゃ、もう足りない。
交通事故から目覚めたら、見知らぬ神殿の床の上だった。
天川ひなた、17歳。気づけば“聖女”として異世界に召喚されていた。
「あなたの力で、国を救ってください」
「癒しの奇跡を、この地に」
誰もが頭を下げ、すがるような目で見つめてくる。
でも、その実態は違った。
“癒し”が使えるというだけで、私はただの回復係になった。
疲れたと言えば、「魔王と戦う覚悟がありますか?」と笑われ、
休みたいと訴えれば、「期待されているんです」と言い返される。
毎日、魔法を使っては倒れそうになりながら、それでも誰も心配してくれない。
食事は冷えたスープ。
睡眠は三時間。
火傷も、傷も、心の痛みも――誰にも見られなかった。
「私は聖女だから……」
そう信じて、笑って、癒してきた。
でも、癒すたびに、笑うたびに、
少しずつ、何かが削れていった。
自分でも気づかないうちに、私は壊れていった。
そしてある日。
傷ついた兵士を治せと怒鳴る神官に、
私は背中から突き飛ばされた。
「あなたは聖女なんだから、死なないでしょ!」
その一言を聞いた瞬間――
私の中で、
なにかが、プツンと音を立てて、切れた。
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