四十二歳、無職。
ゲームだけは得意だった男は、コンビニ帰りに高校生を助け、トラックに轢かれて死んだ。
次に目覚めたのは、ネオンサインと死体袋が共存する異世界のギルド酒場《るすと》。
そこは、酒と炙り肉の匂いに混じって、血の匂いがする場所だった。
毎日クエストを達成しなければならない。
未達成ならペナルティ。
悪化すれば、待っているのは死。
しかも、男は自分の名前を失っていた。
HUDに表示された識別名は《NO NAME》。
酒場の仲間たちは、彼をいつしか「マスター」と呼び始める。
クエスト先は、どこか懐かしいレトロゲーム風の世界。
スライム、街道索敵、迷子タグの回収。
だが、ゲームのように見えても、そこで流れる血は本物だ。
そんなマスターの前に、ノイズ混じりの少女の声が届く。
「またスグニ、おあイしましょう――マスター」
彼女は何者なのか。
なぜ自分は名前を失ったのか。
なぜこの世界は、神のようなAIに管理されているのか。
そして、なぜ《るすと》には、帰ってこられない冒険者たちの死体袋が日常のように通るのか。
これは、ゲームしか取り柄のなかったおっさんが、AI神権に管理された異世界で、消されかけた酒場と仲間を守る物語。
看板は酒場。
ノルマは命。
名前は、まだない。
ゲーム感覚で死ねるほど、人生軽くねぇ。
R15, 残酷な描写あり, 異世界転生, 異世界転移, JR西じゆうに大賞1, HJ大賞7, BWK大賞1, BK小説大賞2, 集英社小説大賞7, ギャグ, シリアス, 男主人公, ゲーム, ESN大賞10, 春チャレンジ2026, おっさん主人公, 冒険者ギルド, ループ, ネトコン14