法とは、罪人を裁くためだけにあるのではない。
罪と人を分け、必要な罰を与え、罰を終えた者には帰る道を残す。
それが、セヴェラン・オルフェインの信じる正しさだった。
幼い頃から律衡院の教えに不思議なほど深い理解を示した少年は、治癒、懺悔、そして数え切れない人々の罪と後悔に向き合いながら、自らの「法」を形作っていく。
愛する両親が罪を犯した時も。
赦しを求める者が自分を罰し続けた時も。
秘密を守れば、誰かの命が失われる時も。
彼は問い続ける。
何を罰するべきか。
何を赦すべきか。
そして、人は罪を背負ったまま、それでも幸福になっていいのか。
やがてセヴェランの前に現れるのは、「人を救うため、罪悪感そのものを消す」という救済。
苦しまなければ、人は救われる。
だが、後悔まで失った時、それでも人は自分の罪を引き受けられるのか。
法、責任、罰、赦し。
癒すことと、焼くこと。
そのすべてを歩み続けた一人の聖職者が、『エルディス』へ至るまでの物語。
――神もまた、法の下に。
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