地下鉄駅で出会った“謎の美女”に心を奪われたフリーライター、工藤拓真。
だが彼は取材先で東日本大震災に遭遇し、時空の裂け目へと呑み込まれる。
目を覚ますと──そこは1598年の伏見城。
献身的に介抱してくれたのは、あの美女と瓜二つの女性、佐名。
彼女は石田三成の家臣、垣屋勘兵衛の妹だった。
やがて拓真は、三成の家老、島左近の庇護で安息を得る。
しかし同時に、胸の内では焦燥が膨らんでいく。
2年後に起こる関ヶ原の戦いで、石田家は確実に滅亡するからだ。
このままでは、自分も佐名も破滅する。
彼女を守りたい──その一心で、拓真は「徳川家康を倒す」という無謀な決断を下す。
彼には切り札がある。
未来の歴史を知り尽くした頭脳。
そして戦国の常識を覆す、銃器、火薬の知識。
それらはまさに“知識チート”──時代そのものを揺さぶる力だった。
歴史の因果に抗い、佐名の運命を書き換えるため、拓真は戦国の荒野へ踏み出す。
それこそが拓真の「最終手段─Last resort─」。
震災から戦国へ──。
一人の男が挑む、知識と覚悟の歴史改変戦記が幕を開ける。
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