「君を愛するつもりはない」
寝室から聞こえてきたのは父が再婚相手に冷たく言い放つ声。
「俺が君に求めるのはダルサニア辺境伯夫人としての役割だけだ。あとは好きにしてもらって構わない」
つまり、夫婦としての関係を築くつもりは一切なく、お飾りの妻を望んでいるのだと父は告げる。
(……は?)
一体この男は何を言っているのだろう。
(ねぇ、初夜だよ? しかも相手は初婚で、一回りも年下のご令嬢だよ?)
開いた口が塞がらないとはこのことだ。
「……承知いたしました」
しかし、相手は怒ることなく落ち着いた声で返事をする。
(このままじゃダメだ)
父は彼女を幸せにするつもりはないらしい。
(だったら……)
重苦しい空気を切り裂くように、僕は寝室の扉を勢いよく開け放つ。
「ならば、フェリシア様は僕が幸せにしましょう!」
※短編版の同タイトル(七歳→7歳に変更)の連載版です。
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