辺境で静かに暮らしていた少年アルスは、
ある日、水晶玉に触れたことで「本来、知られてはならない光」を放つ。
それが何を意味するのか――
誰も、すぐには答えられなかった。
ただ一つ確かなのは、
その日を境に、アルスの人生は
“守られる側”から、“狙われる側”へと変わったという事実だけだった。
才能は祝福か、それとも呪いか。
公にすれば称えられる。
隠せば、誰かが傷つく。
王は優しく、家族は彼を想い、
精霊たちは力を貸そうとする。
だが同時に、
その力を欲する者たちも、確かに存在していた。
選ばなければ、守れない。
選べば、何かが壊れる。
少年はまだ知らない。
この世界では――
善意が、最も残酷な結果を生むことがあるということを。
特別な力を持ってしまったがゆえに、
誰かを救うたび、
別の誰かを切り捨てる選択を迫られていく。
これは、
英雄の物語ではない。
これは、
「守ろうとした結果、何を失うのか」を描く物語だ。
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