その体に流れるは、織田と浅井の最高純度の血――。」
天皇家の祖となる浅井三姉妹の兄、浅井万福丸。
史実において、串刺しにされ消えるはずだった「日本最高の貴種」は、脳内の「昆虫研究家」と共に、虫たちが這う泥道を選んだ。
名前は万福(まんぷく)丸。
だが、禁断の知識を引き出す代償は、その名を嘲笑うかのような凄絶な飢餓(はらぺこ)だった。
「昆虫の有効利用は人類を救う」という信条の持ち主、昭和初期の昆虫研究家である時任(ときとう)の知恵を借り、そして、虫たちが持つ特性を利用し、少年は戦国の運命を喰い破る。
「日本史上稀な血統を持つ浅井遺児」がもし生きていればを描く歴史IF。泥をすすり、光を捨てた凄絶な生存戦略の記録である。
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